これまでの都市拡大社会から低成長成熟社会を迎え、既存の建築ストックを活用することが重要となっています。しかし現状は、空き家化の末、解体されるケースが続いており、これら遊休不動産化した建造物の利活用を通した持続可能な都市継承が急務となっています。一方で、遊休不動産化した建造物を単体で利活用するだけではなく、エリア一体型で連鎖的に活用することで、エリア全体の価値向上を推進していく必要があると考えています。近年では、建物単体のリノベーションが同じエリアで同時多発的に起こり、面として展開する動きが「エリアリノベーション」と称され、まちづくりの新たな手法として注目されています。2019年の建築基準法改正、旅館業法の改正など、リノベーションを行う上での規制緩和が進んでおり、全国各地で多様なエリアリノベーションの取り組みが展開しています。